一昔前にも子役ブームはありましたが、
昨今の子役ブームは異常とも言える事態となっています。
テレビを付けたら毎日必ずと言って言い程子役が登場しますし、
ドラマへの出演がきっかけで売れっ子になった子役が
CDデビューをするということにまでなっています。
またブランド服のモデルを務める子役もいます。
ここまでのブームは、一昔前には考えられなかったのではないでしょうか。
テレビに映る子役たちを観た親御さんが、我が子も子役にしようと意気込み、
芸能プロダクションや劇団に入れるのです。
ここ数年で、そのような親御さんは爆発的に増えているのです。
テレビのドキュメンタリー番組でも、我が子を子役にさせようと
奮闘している母親の姿を追っているものがありました。
その中で、「お母さんが死んだらどう思う?」などと
言い泣く練習をさせるシーンがあったとか。
これは少しまずいなぁ、と思わずにはいられませんでした。
演技が上手くなるために指導し、結果演技力が向上すれば言うことはありません。
しかし演技と嘘は、全くの別物なのです。
気持ちを伝えるために感情を込めて声と体と表情で伝えるのが演技であると思うのです。
ドキュメンタリーの中の母親を観ていると、
どうも「どうすれば演技の中で大切なことをアピール出来るのか?
カメラに向けてどのようにアピールするべきか?」を目指しているようだったのです。
そうすると、大げさに泣くことが演技であると勘違いする
子どもたちが沢山出てくると思うのです。
しかし、大げさに泣きアピールをすることが演技ではありません。それは嘘泣きです。
そこにリアルな感情が伴わなければ、観ている人達の心には響かないと思うのです。
このように子供時代に間違った感覚を覚えてしまうと、
大人になってからの本人の人間性などにも支障をきたしてしまいます。
子役ブームに乗り子役を目指す子供たちが、
このように嘘の演技を覚えることは、ある意味危険なのです。
そういう意味では、安易な子役ブーム自体も危険であると言えるのです。
子供には嘘泣きなどではなく、子供らしく観ていて
微笑ましいと思えるような演技をしてほしいものです。