近頃では本当に、キレイでオシャレなママが増えましたよね。もう、髪を振り乱して育児にてんてこ舞い、なんていうのは古い!と思っている方も大勢いらっしゃることでしょう。読者モデルという存在がメジャー化してきて、今や雑誌に自分の写真が載るのは夢ではなくなってきました。学生時代に街角で声をかけられて…なんていう経験がある方もいることでしょう。自分にその経験がなくても、知り合いが雑誌に載ったことがある、という人まで含めれば、雑誌への掲載が手に届く範囲にあると実感している方はかなりの数になるはずです。

そうした中で、期間限定の特殊な読者モデルが「ママ読者モデル」ですよね。これは子供が幼児期から学童期にかけての一定の期間にしかできない体験です。お子さんだけでなく、せっかくだから一緒に楽しみたいという声も多いので取り上げてみますね。

ママ読者モデル

■期間限定!だからこそ知りたい、ママ読者モデルになるということ。

わが子のかわいい盛りの姿と、自身の若くて幸せいっぱいの姿を残しておけると考えて、妊娠中からこの時期に憧れを持って過ごしてきた方もいるのではないでしょうか?でも、いざ、その時になってみると、分からない事だらけ。本当に私にできるのかな?と躊躇しているうちに子供はだんだん育ってしまう。

ママ読者モデルになると、どのような事が起きてくるのでしょうか。

どんなことに気をつけたらいいのでしょうか?ママ読者モデルに興味がある方や、まさに応募しようとしている方、そしてなりたての方、なってみて悩んでいる方、それぞれだと思いますが、ここではママ読者モデルとしての実質的な活動というよりは、それを含んだ女性の生き方として少し考えてみたいと思います。

■ちゃんとできる?育児、家事との両立

そもそも、ママ読者モデルとは子育て中の魅力的な生き方を世間に公開して、ママとして女性としての充実ぶりと、実体験に根差したすてきな育児ライフの実現モデルを提案する役割があるのではないかと思います。撮影がある時は子供と自分と、両方の支度をして、帰ってきてからの家事の段取りも考えて、生活をコントロールしなければなりません。

あくまで読者モデルですから、職業と言えるような収入につながるわけではなく、学生時代の部活動のようなものだと思ってみてください。

妻として母として、家事・育児をこなした上で、家族の理解と協力のもと、活動していくことになります。
心と、時間と、お財布に、ちょっとずつの余裕がなければ、自分が負担になるだけでなく、家族にも負担をかけてしまうことになります。

自分や家族に負担のある読者モデルって、本来の役割である「すてきな育児ライフの実現モデル」を提案していることにはならないですよね?本業のモデルさんとは違って、撮影中に充実したママを演じることを求められているのではなく、編集側としては、実際に充実しているすてきな「実在のママ」に雑誌に登場してもらうことに意味があるのです。

すてきなママとはどんなママでしょうか?箇条書きにしてたくさん書き出してみてください。

この場合の「すてきなママ」とは「雑誌に出てくるようなすてきなママ」です。言い換えれば「雑誌で伝わるすてきさを備えたママ」です。その条件に自分はいくつくらい当てはまっているでしょうか?無理なく余裕を持って当てはまっていた方が、読者モデルになってからの生活が楽しくなることは間違いありません。

子育てを経験し、保育士としてお子さんやそのママと接した経験のある筆者から一言アドバイスをするなら「無理は長続きしない」ということ。

自分では「このくらい、平気!」と思っていても、周囲は思った以上に不安や不満を感じていたり、他人から見て「イタイ人」になっていたりすることもあるものです。

ママ読者モデルの場合、無理とは自分自身だけの無理ではなく、パパや子供たちの無理も含めてのことです。みんながハッピーで始めてママ読者モデルとしての価値があるのです。その点については、じっくりと自分の生活や性格を見つめなおし、検討する必要があります。

普段からイージーなママは、よりイージーになった時に家族や仕事相手に迷惑をかけないかどうか?完璧主義の傾向があるママは自分がパンクせずに、続けられるかどうか、真剣に考えてみてください。

■ママ読者モデルは素晴らしい自己実現

育児には正解も、ゴールも、評価もありません。子育ての一部始終を見守ってくれる人はいないし、子供がいつでもママに感謝の気持ちを表してくれるわけでもありません。育児は根気のいる地味な作業の繰り返しです。そんな中で、ママ読者モデルを始めて、輝きを増すママたちがいます。

撮影で、さまざまな人々と触れ合い、日々努力を重ね、それが雑誌掲載と言う形で報われ、同じ様な思いを抱いたママたちに出会い、ママとして女性として成長してゆくのです。多くの人と触れあうこと、自分の生き方や育児を公開することが、自分への評価になってママ読者モデルたちのモチベーションアップにつながっているのです。

ママ読者モデルの経験を通して、なりたい自分になってゆく。

これは、モデルになるママや子供にとっても、雑誌の編集スタッフにとっても、最も望ましい形です。ママ読者モデルと言えども、モデルですから、人の目を意識するのは当然のことです。

でも、だからこそ、気をつけなくてはならないのは、よりよく見せようと背伸びをしすぎないこと。

見栄を張るのではなく、人の目を意識するのは他者への気遣いであることが理解できていれば、ママ読者モデルは本人と周囲の人々にとって、Win-Winの関係をもたらすことができます。

人の目を意識することは重要なことです。

人の目を意識する生き方をママがしていると、子供たちも自然にそれに倣います。

TPOをわきまえ、周囲の人々に歩調を合わせ、美しくはつらつと振る舞えば、そういうママを子供たちは誇らしく思うものだし、自分もそうであろうとします。そのように、母と子が洗練されてゆけば、ママ読者モデルとしての活動が充実するのは当然ですがなりたい自分になってゆく喜びを味わえるはずです。

これは、人の目を意識することなしに実現するのはとても難しい。そういう意味でママ読者モデルは素晴らしい自己実現の場になりうるのです。

■人前に出るということは強くなるということ

始めに、おしゃれなママが増えている、と書きました。これは事実だと思います。ですが、一方で、全てのママがオシャレにポジティブなわけではないのも現実です。

世の中にはいろいろな人がいます。

子供の園ママや学校のママたちはどんな方たちでしょうか?その中にあって、自分はどのような立ち位置にいるのでしょうか?どう思われていると思いますか?雑誌に自身と子供の顔、そして名前などをさらすのがママ読者モデルです。

筆者の友人も一度だけ、園ママのお誘いで自宅での撮影に参加して雑誌に掲載されたことがあったのですが、意外な知り合いから、「見たわよ~!」と言われ驚いた経験があったそうです。

この時、筆者の友人を誘ってくれた園ママは、以前に読者モデルの事を周囲の園ママたちに話してから、言われのないねたみの対象になり、孤立してしまった経験を持っていました。人は、自分にないものを、むやみにうらやましがる傾向にあります。女性ならきっと察しがつきますよね?なるべくなら、ねたまれない様にしたいものですし、自分が他人をねたむこともしたくないもの。

ママ読者モデル内で、自分よりも優れていると思ったり、恵まれていると思った人に対してねたましい気持ちが湧いてくるようなら、ママ読者モデルとしての活動自体を考え直さなくてはいけません。

なぜなら、そんなあなたを、子供たちは見ているからです。

子供たちは無意識で見て、無意識で感じて、無意識で行動に表してしまいます。ママに起きていることを、自分のことのように思ってしまう、そのことに気づくことが難しいのが子供なのです。他人を見てもうらやましがることなく、見下すことなく、フラットな気持ちで自分自身の生活をまっすぐに見つめて表現できる強さがあるなら、きっとママ読者モデルに向いていると言えるでしょう。

育児中の期間限定の貴重な経験です。

たくさんの学びがあるはずです。

全てをプラスにするために、自分の中で明確なラインを決めておくことをお勧めします。

例えば、お夕食を作るのがおっくうでたまらなくなったら、活動を休む、とか、他のママ読者モデルが気になって仕方なくなったら辞める、など、あらかじめ決めておくのです。

ただし、それらも自分で決めたのですから、決めたことを変えるのも自分です。

そうしていくうちに、自分が強さとしなやかさを増していることに気づくと思います。ママ読者モデルは、その活動が目的ではなくて、その活動を通して、ママとして洗練されて周囲をハッピーにしていくことにあるのではないでしょうか?